2017年2月10日金曜日

Arduinoでシーケンス制御を学ぶ-導入偏

 最近の電気業界では、PLC/シーケンサを使ったシーケンス制御を扱えるエンジニアが引っ張りダコらしいです。
 学生のころリレーを使ったシーケンス制御を教科書レベルで学んだ記憶がぼんやりとありますが、PLCの知識は皆無です。
 そんな事情から、PLCを使ったシーケンス制御を学んでみようと思いましたが、PLCは、それなりに高価です。なんとか安価にできる方法がないかと探してみると、PLCのように、Arduinoをラダー図で制御できる「SoapBox Snap」というツールを発見しました。



以下、SoapBox Snapの導入手順です。

■PCの準備
 次の手順で、PCに必要なソフトウェアをインストールします。

①Phidgets Driver Libraryをダウンロードしてインストールします。
・Phidgets Driver Library 32 Bit Installer Download
・Phidgets Driver Library 64 Bit Installer Download

②SoapBox Snapをダウンロードしてインストールします。

※必要に応じてインストール中に、.NET Framework 4が自動的にダウンロードされます。
※Windows 8またはWindows 10の場合は、.NET 3.5もインストールされていることを確認してください

■Arduinoの準備
 次の手順で、Arduino IDEおよびArduino をセットアップします。

①「Timer1 Library」ライブラリをダウンロードして、インストール(インクルード)します。
②次のフォルダ内にある「Arduino Firmware.ino」(SoapBox Snap Arduino Firmware)を開いて、ボードに書き込みます。

C:\Program Files (x86)\SoapBox Automation\SoapBox Snap\ArduinoFirmware\

または

C:\Program Files\SoapBox Automation\SoapBox Snap\ArduinoFirmware\

 ファームウェアが正常に機能していれば、ボード上のピン13に接続されているLEDは、1秒ごとに1回短い点滅で点滅します。

●補足 コマンドの送信
シリアルモニターのボーレートを115200、改行コードをCR/LFに設定します。

・「status」と入力して[Enter]キーを押してください。「Running = False」、次に 「EOM」と表示されます。

・入力のステータスを読むことができます。「read b0」は入力ピン3のステータスを読み、「read b1」は入力ピン4のステータスを読みます。「read n0」はアナログ入力A0などの値を読み込みます。

・「device-config」コマンドは、I/O構成のリストが読み込みます。

・デフォルトでは、すべての個別ピンが入力として設定されていますが、ピンを出力に変更することができます。たとえば、ピン8を出力にしたい場合は、「config-output 8」コマンドを送信します。ピン9をアナログ(PWM)出力にしたい場合は、 「config-pwm 9」コマンドを送信してください。すべて入力に戻すには、「config-reset」コマンドを使用します。

■初期設定とラダー図のダウンロード
●初期設定
①SoapBox Snapを起動します。
②「New Program」をクリックします。
③「Solution Explorer」の「Runtime」を右クリックし、「Properties」をクリックします。
④[Type]ドロップダウンリストから 「SoapBox Snap Arduino Runtime」をクリックします。
⑤[Address]テキストボックスにArduinoのCOMポートを入力します。
⑥必要に応じて、[Configuration ]テキストボックスにI / O設定情報を入力します。たとえば、ピン7と8を出力したい場合、最初の行に 「config-output 7」と次の行に「 config-output 8」と入力します。PWMピンの1つをアナログ(PWM)出力(たとえばピン9)として構成するには、「config-pwm 9」と入力します。


⑦[OK]ボタンをクリックします。

●ラダー図と設定のダウンロード
 ラダー図と設定をダウンロードするには、次のように操作委します。

①「Solution Explorer」の「Runtime」を右クリックし、「Connect」をクリックします。


②未保存の場合、「Save」ダイアログボックスが表示されるので、[はい(Y)]ボタンをクリックし、ファイル名を入力し、保存先を選択し、[保存(S)]ボタンをクリックします。
③「Upload/Download」 ダイアログボックスが表示されるので、「Download」を選択し、[OK]ボタンをクリックします。


 ダウンロード後、ランタイムは自動的にラダーロジックプログラムを開始します。この時点では、プログラムが空であるため何もしません。

●デバイス設定の表示
 ソリューションエクスプローラのランタイム項目の下には、「デバイス設定」項目があります。「デバイス設定」を表示するには、次のように操作します。

①「Device Configuration」を右クリックし、「Read Device Configuration」を選択します。
②接続中の場合、警告ダイアログボックスが表示されるので、[はい(Y )]を選択いします。
③「Local I/O」という名前の新しい項目が表示されます。各アイテムの横にあるプラス(+)または矢印アイコンをクリックして、Local I/Oアイテムとすべての子アイテムを展開します。



■簡単な例(LEDの点灯/消灯)
●配線図
 LEDとプッシュボタンを次のように配線します。


●ラダー図


 上記ラダー図を作成するには、次のように操作します。

①「Instructions」から「Normally Open Contact」をラング(横線)の上にドラッグ&ドロップします。



②ラング上の「Normally Open Contact」の「False」と表示されている部分をクリックし、表示された[…]ボタンをクリックします。







③「Device Configuration」→「Arduino」→「Discrete Inputs」の順に展開し、プッシュボタンが接続されているピン(ここではpin2)を選択し、[Ok]ボタンをクリックします。


④「Instructions」から「Coil」をラングの上にドラッグ&ドロップします。
⑤名前(「New Coil」と表示されている部分)をクリックし、任意の名前(ここでは「M1」とします)を入力します(入力確定は[Enterキー])。

⑥エディタの空白部分を右クリックし、[Insert at Bottom]→[Ladder Logic]を選択します。
⑦「Instructions」から「Normally Open Contact」を追加したラングの上にドラッグ&ドロップします。
⑧ラング上の「Normally Open Contact」の「False」と表示されている部分をクリックし、表示された[…]ボタンをクリックします。
⑨「Logic」→「Main」の順に展開し、「M1」を選択し、[OK]ボタンをクリックします。


⑩「Instructions」から「Coil」を追加したラングの上にドラッグ&ドロップします。
⑪名前(「New Coil」と表示されている部分)をクリックし、任意の名前(ここでは「LED」とします)を入力します(入力確定は[Enterキー])。
⑫「Local I/O」の「Discrete Outputs」の「pin7」を展開し、「False」と表示されている部分をダブルクリックします。
⑬「Logic」→「Main」の順に展開し、「LED」を選択し、[OK]ボタンをクリックします。


⑭「Runtime」を右クリックし、「Connect」をクリックします。
⑮未保存の場合、「Save」ダイアログボックスが表示されるので、[はい(Y)]ボタンをクリックし、ファイル名を入力し、保存先を選択し、[保存(S)]ボタンをクリックします。
⑯「Upload/Download」 ダイアログボックスが表示されるので、「Download」を選択し、[OK]ボタンをクリックします。

 ダウンロード後、ランタイムは自動的にラダーロジックプログラムを開始します。プッシュボタンのオン/オフで、LEDが点灯/消灯することを確認してください。

2017年1月14日土曜日

Android Things始めました。

昨年末にGoogleから発表されたAndroidIoTプラットフォームの「Android Things」を始めました

とりあえずハードウェアにRaspberry Pi 3を使用して、サンプルコード(Lチカ)を実行するまでの手順を説明します。

PC環境は、Windows10を前提に説明しています。

●必要なモノ
◇ソフトウェア
Android 7.0 (API 24)以上、SDK Toolバージョン24以上

◇ハードウェア
Raspberry Pi 3
SDカード(8G以上)
HDMIケーブル、LANケーブル、Micro USBケーブル(電源用)

Raspberry Piのセットアップ
 次のように操作して、Raspberry Piをセットアップします。
Android StudioWin32DiskImagerはインストール済みのこととします。

Android Thingsシステムイメージの書き込み
こちらのWebページから、Raspberry Pi用のシステムイメージ(androidThings_rpi3_devpreview_1.zip)をダウンロードし、解凍します。
Win32DiskImagerを使って、SDカードにシステムイメージを書き込みます。
  
◇起動とWifiの設定
①システムイメージを書き込んだSDカードを挿入し、ケーブル類を接続して電源を入れます。
Android Thingsの画面上に表示されているIPアドレスを確認します。
 

③コマンドプロンプトから、次のコマンドを入力してRaspberry Piに接続します。
adb connect <IPアドレス>[Enter]
<IPアドレス>には②で確認したIPアドレスを入力します。

④コマンドプロンプトから、次のコマンドを入力します。
adb shell am startservice -n com.google.wifisetup/.WifiSetupService -a WifiSetupService.Connect -e ssid <SSID> -e passphrase <Passcode>
<SSID>にはWifiSSID<Passcode>にはWifiのパスワードを入力します。

Wifi接続されると、SSIDIPアドレスが画面上に表示されます。
 

 以降、Wifiで接続されるので、LANケーブルは外して構いません。


●サンプルの実行

LEDの配線
 次のようにRaspberry PiLEDを接続します。
 
  
◇サンプルの実行(デプロイ)
 サンプルを実行するには、次のように操作します。
Android Studioはインストール済みのこととします。

①「Simple PIO」をダウンロード・解凍し、プロジェクトをAndroid Studioにインポートします。 
※インポートの際にSDKSDK Toolのバージョンが異なる場合は、インストールやアップデートを促すメッセージが表示されるので、メッセージに従って操作して、インストールおよびアップデートを実行してください。

②コマンドプロンプトから、次のコマンドを入力してRaspberry Piに接続します。
adb connect <IPアドレス>[Enter]
<IPアドレス>にはRaspberry PiIPアドレスを入力します。

③「blink」を選択し、[RUN]ボタンをクリックします。
 

④ターゲットを選択し、[OK]ボタンをクリックします。
 

 このとき、「Connected Devices」に「<none>」または「IPアドレス:5555[OFFLINE]」と表示された場合は、[キャンセル]ボタンをクリックし、コマンドプロンプトから次のようにコマンドを入力して、再度③④の操作を行います。
adb devices[Enter]
adb connect <IPアドレス>[Enter]
<IPアドレス>にはRaspberry PiIPアドレスを入力します。